グラブ修理道

グラブ修理の当て革

こちらのグラブは3年近く前にご購入頂いた硬式グラブで、これからも使用したいとのことで補修致しました。

グラブ修理は人の手で行うし誰でもすぐできるようにはならないので、どうしても納期かかります。

時間的に余裕があるタイミングでお預かりしたいところです。今回は予め先を見越した補修としてウエブ紐の通る穴、指の付け根が摩耗しています。現時点では使用上の影響はありませんが、後で必ず破れていきますので、今このタイミングで補修します。

破れそうなところを先回り

①人差し指の摩耗部分と広がった穴のカバーを縫い付けました。可動性も維持する形に当て革を切り、全体を薄くした後、端をさらに薄くします。段差を小さくするのがグラブ修理の基本になります。

②中指は破れてはいないものの、薄くなっていました。そのまま縫うと針孔で破れやすくなるだけなので、裏から当て革をしたうえで見た目畳のように縫い込んで補強です。縫い範囲が広くなると変形していきますので、最低限の範囲で、薄くなった部分を糸で埋めるイメージです。

③画像にありませんが、受球面は元々ついていた当て革の再接着しました。これだけで硬くなり浮きも無くなります。グリスは新しいものに交換しました。

④ウエブの下パーツは作り替えしました。こちらも非常にありがちな修理内容になります。伸びが少なく厚みのある部分から切り出して作ります。ウエブ穴あけ部分には裏から補強革を入れてあります。

⑤親指の付け根も破れており、こちらも補修しました。こちらは3回くらいに分けて縫い込むのがポイントです。

⑥汗取りムートンも交換しました。手の甲側がしゃっきっと硬くフィット感も増します。へり革を付け替えるときはついでに変えちゃった方がいいです。ムートンが吸汗の役割をしないと、バンド部分に汗が付着してひび割れ状態になっていきます。

⑦へり革は手の甲側分を交換しました。交換するメリットとしてはこちらも硬くなることです。

⑧画像にはありませんが紐の交換で更にしゃきっとなります。グラブの柔らかさを考慮して厚み調整も必要です。

今回の修繕でまたしばらくは心配なく使用して頂けるようになったかと思います。これら①~⑧の加工はお買上げ品価格で、材料費+加工費トータルで税込11,110円となります。

お持込み品の修理も承りますので、まずは修理オーダーフォームよりお申込み下さい。画像を付けて頂くと詳細なお見積りが可能です。

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