グラブ型付けで気を付けたいポイント
グラブの型付けは柔らかくするというより、自分にとって使いやすい道具にしていくことです。当店ではその導入部分を担うことになります。特にポイントになると考える点を挙げます。
★手とグラブのフィット=平裏と手の間に隙間を作らない
⇒手の平の革が浮くと捕れないわけではないのですが、フィット感が悪くなります。どうしてこうなるのか?
- 型や材の問題⇒設計された段階で無理がある、革の表と裏に違いが大きすぎる
- 保管の問題⇒硬いグラブを無理やり握れば、柔らかい手の平にストレスがかかる。大きい店では・色々な人がグラブを手にはめていくので、その中で形がついていってしまう。
- 使い方の問題⇒例えば親指と中指がつくような閉じ方をするグラブを、無理に親指-小指になるように閉じるとストレスがかかる。自然な位置で閉じないことで手の平の余分が発生し、その逃げ場が出っ張り盛り上がる。
★開き
様々な角度からのボールに対応、自然な手の平に近づけるイメージです。ボールを素手で捕るとしたらみな手を大きく開くと思います。グラブをはめても素手に近い感覚が理想と考えます。
★捕球面全体の使用
- グローブ=袋⇒深い位置でつかめる
- グローブ=板⇒浅い位置で扱える
必ずグラブの中心で打球を捕れるとは限りませんので、1カ所だけが捕球ポイントにならないようなイメージです。
★親指の利き
ボールがポケットに当たるその衝撃で閉じられるようなイメージで、親指が蓋をするようによく利く必要があります。親指側ではなく小指側で閉じるという方も多いので絶対ではありませんが、親指が利いてシングルハンドで捕球できることが基本になります。
各加工方法での違い
野球工房A27で行う加工方法は3種類です。各方法での違いは下記となります。
湯揉み加工(湯もみ加工、湯揉み型付け)
新品の状態から癖をつけることになりますが、湯揉みが有効だと思うのは全体を一度で効果的に成形、癖づけ出来る点です。自分で型付けできない小中学生、馴染ませる時間の無い大人軟式野球は湯揉み加工を考えても良いかと思います。
柔らかさは揉む量や強さで調整をしていきます。使われている革、紐、グラブの形、ユーザーの希望をトータルで考えた上での加工になりますので一概には言えませんが、ほぼ水、ぬるま湯、熱くてもお風呂くらいの40℃程度お湯につけ加工します。低温で革への刺激を抑えつつ、水分を含ませ癖の付きやすい状態を作るための湯揉みです。
液体オイル塗布+手揉み加工+必要ならスチーム
液体オイルを全体に塗布して、手揉み・叩き・パンチングマシンでほぐすことでぼんやりと方向性が見えていく(開閉できる程度の仕上がり)程度の加工です。使用しながら馴染ませていけます。液体オイルを入れることで革に癖がつきやすい状態を一時的に作って揉んでいきます。硬いグラブ、形のクセが強いグラブは減り、湯揉みが必要なグラブも少なくなってきましたのでこちらが多いです
液体オイルだけでは癖がつかない場合、スチーム機で温めてあげることで一時的に柔らかい状態を作り、その間に癖付けを行います。
いずれも揉み方、叩き方が重要!
どの加工方法においても、一定の揉み方をおこなっております。叩く際は3種類のグラブパンチャーとトントン機を使用しております。いろんな型付け方法がありますが、揉み方、叩き方が最も重要と思います。お湯に付けたりスチームに入れるだけで型が付くことはありません。
グラブの型の種類
グラブ型付けを行うにあたり、お客様の希望する使用イメージを伺います。グラブを手にはめたときの奥行A/Bと、親指が向かう位置1~4で形が決まります。注意点として、基本的にはそのグラブなりの自然な閉じ方が一番良いです。無理やり型を深く(浅く)していくというのはあまりおすすめでませんので、グラブを選ぶ際にご注意ください。
グラブ型付け加工料金とお申込み方法
当店でグラブを購入の場合、基本型付けは無料となります(20%以上の割引が入ったセールアイテムは有料です)。2024年6月より、加工は一律で別途料金とさせて頂きます。加工料金の確認とお申込みはこちらからお願い致します。