グラブ・ミットお手入れ方法

一番望ましくない状態とは

最もよくないのは、古いオイルと砂埃が一緒になってこびりついて常にべとべとした汚れた状態です。毛穴にフタをされ、汗が乾きにくく、いつも湿った重い、悪臭のするグラブになってしまいます。こうなると、汗が乾かない湿った状態(=革が伸ばされやすい)で使うので、手入れ部分が破れやすくなります。


お手入れの基本⇒革を通気性のある、すっぴんの状態にリセットしてあげることです。自分の肌というイメージでグラブ・ミットを扱いましょう。

まずは汚れ落としと乾燥

最初にブラシで大まかに

まずは何も塗ったりせずにブラシなどでおおまかに、ブラシは小型で柔らかく細い毛先のものが使いやすいです。

こだわる人は馬毛ブラシがいいでしょう。毛先が柔らかいので強くこすっても大丈夫です。細かい部分は歯ブラシなどがよいでしょう。小型で使いまわしやすい馬毛ブラシ(税別500円)

クリーナーで汚れを取る

大まかに汚れを落としたら、クリーナーを柔らかい布(理想は綿の手拭)に付けて細かい汚れを落としていきます。革をすっぴんの状態にリセットしてあげます。

おすすめは ハイゴールド(HIGOLD) マルチクリーナー OL-60 です。レザーローションは革に染み込みやすいので汚れ落としてはしにくいのですが、マルチクリーナーはペースト状で汚れを取りやすく、日々のお手入れに使いやすいです。平裏(手が触れている内側部分)含めたグラブ全体の汚れ落としに使用できます。

より強力に汚れを取りたい場合

もし、ベタベタしてたり黒土が落ちてないという場合は M.モゥブレィ ステインリムバー がおすすめです。

汚れを落とす効果が高い(色を落としてしまう場合がある)ので、普段のお手入れ用というよりは集中的に汚れを落とすときの使用に向いています。水性タイプでベタベタせず平裏(手の触れている裏側部分)の汚れ、汗のケア用におすすめしたいです。

手間ですが、マルチクリーナーやステインリムーバーを使用する際は、指に布を巻きつけ、その指先にクリーナーをつけると効果的に使えます。刷り込むのではく、すくうように汚れをとります。

忘れがちですが、グラブの平裏(手を入れる部分)やヘリ革の汗の汚れもクリーナーでケアしましょう。ひび割れ対策(延命対策?)になります。

雨・汗で濡れたらどうする?!

ずぶぬれになったら

雨や汗で湿っている場合は、まずは汚れ落としが先で、その後に乾かしましょう。表面に砂がついてる状態だと乾きにくいのです。

雨でぬれた場合は布団乾燥機で乾かすという方法もありますが、難しいので慎重に行う必要があります。乾燥機や除湿機を使用する場合はこまめに様子を確認するようにしましょう。

乾燥機に繋げて乾かす方法もありますが、袋内の温度調整が難しいので使用する場合は慎重に。【ユニックス社 BX7363】

なぜ難しいのかというと、高温で乾かし過ぎるとパリパリに傷んでしまうからです。自然に乾かしつつ様子を見てオイルを入れた方が安全です。その場合に使用するオイルは、液体がおすすめです。

液体オイルのおすすめはハイゴールド(HIGOLD) グラブソフナー OL-70 です。スプレータイプで革全体に優しく油を補充してくれます。基本はグラブに直接吹いていただいて、慎重にいきたい方はスポンジに付けてから塗り込んでください。

このような汚れを落とす⇒液体オイルを軽くつける⇒自然乾燥という流れがベストです!

日頃からできる対策

スパイクについても同じことが言える基本ですが、袋やカバンに入れっぱなしにせず、風通しのよい場所に保管しましょう。日頃からグラブの湿気対策はした方がいいです。

移動時のグラブケースには中に「お煎餅などに入っている乾燥剤」などを入れておくのが、お金もかからずおすすめの方法です。

湯揉みしたくなかったり、自分で型をつけたい方にはぜひ使用していただきたいです。

保湿する

油分を全く補給しないのはダメ

最近は、オイルを全く塗らないという人も多いようです。

油分が全く補給されないと革が硬くなったりひび割れたり、色落ちが早まる、革に張りがなくなる、捕球音が悪くな、ボールが滑る、表面が削れやすくなるなどのデメリットもあります。カサカサになりすぎるのもあまり良くないのです。

難しいのですが、油分を補給する頻度などは時期や使用状況によって一概に言えませんので、よく観察をして必要だと思ったら塗るようにしましょう。ポイントは、自分の素肌というイメージでグラブを観察することです。

擦れてる捕球面、指先、ヘリ革にはあえて固形オイルを塗ってあげるのもありです。革の表面が擦れて、網状組織(白いところ)が見えてくると、固形オイルでフタをしてあげることが必要です。塗り過ぎはよくありませんが、全く塗らないとどんどん繊維がほぐれていき、破れます。

どんなオイル商品を使えばいいのか

今のグラブに、念入りに固形オイルを塗りこむ必要はありません。

スプレー式の液体オイルは簡単に使用でき、重くならずに油分を補給できるのでおすすめです。

前述のハイゴールド(HIGOLD) グラブソフナー OL-70 であった、和牛JBさんのプロティオスであったりです。プロティオスは少し効果効能が大袈裟に感じるのと価格が高すぎるのでグラブソフナーをおすすめです。また、これらの液体オイルに近いものとして当店オリジナルのオイルも用意中です。

全体にはスプレー式液体オイル、摩耗してる部分に固形オイル、+αとして平裏(手の触れる部分)には爽香守 裏革コンディショナー 平裏専用ジェル 1GJYG56500です。

液体オイルを使用して手もみ加工

液体オイルは型付け用として見えるかもしれません。もちろん型付けにも使えますが、普段のコンディションキープにも使用できます。

動画では型付け用途として使っているので多めに縫ってますが、普段使いならうっすら湿る程度で充分です。

まとめ

グラブで使用されている牛革は、もともとは牛の皮膚です。自分の肌と同じように大切に扱ってあげてほしいなと思います。

超基本は通気性をキープするために汚れを取ってあげることです。

売られているお手入れアイテムが種類多すぎたり、その時々で疑問が出てくると思います。相談できるお店で購入するといいでしょう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です