野球工房A27ではこじんまりとですが2015年からグラブ等のオリジナル品を販売しています。これには様々理由がありました。
硬式グラブは10年前と比べてどうなったか
10年前くらいの古いグラブの修理をご依頼頂くことは結構多くて、その度に「この頃のグラブはよかったな~」と思わされます。
一言で言うと「使えば使うほど自分の手に馴染む」グラブが多かったです。
革や芯などの材料、考え方(ずっと使える良い物を作って競争する時代だったのかもです)が時代ともに変化し仕方ないのでしょうか、今のグラブは柔らかくすぐにピークを迎えてしまうものが多いように思います。
物の値段が高くなるのは今の日本で仕方ありませんが、プレミアを付けているように思います。10年前の「良心的な価格設定」というのはほとんど見なくなりました(個人的感想ですけど)。
軟式バットなんかも同じですが、高ければ高いほど良い物と認識して購入するユーザーが多いからなのかもしれません。どうもここ数年そういう印象を受けています。
面白いのですが、中価格帯の野球グラブというのが全く売れなくなってきています。高級か、めちゃくちゃ安いかのどちらか、二極化が続いています。
メーカーの方針に左右される
メーカーは基本的には前年より販売を伸ばしていかないとなりません。飛び抜けて良い物を作って勝負という時代ではないので、販売数を伸ばすために多少品質を抑えて広告宣伝に費用を掛けるとか、販売は伸びなくていいのであれば1つあたりの利益を増やすとか当然そういったことが大切になってきます。ロゴを変えていったり、ばんばんニューモデルをだして前年の商品をどんどん陳腐化していかないとなりません(あまり良い言い方ではありませんが)。
このシリーズはそれっぽい見た目重視だ、このシリーズは革が見本市のより酷いビニールのようだ、なんてことも結構感じることがありました。
野球工房A27の仕入れグラブでZETTが多いのですが、比較的ZETTの商品が硬派といいますか、プロステなどはずっと「プロステ」で裏切られることがないのです。
もちろんグラブもまだまだ進化していくでしょうから、今はもしかしたら過渡期で、将来的には天然皮革を上回るグラブ素材が出来てくるとかそういった可能性があります。ファンクショナルな部分で素材を補えるグラブが出てくるかもしません。しかし、5万円以上するような品物がコロコロと変わりながら実験的に上市されるのはお客様からしてもあまり良いことはないと思いますし、仕入れる店としてもリスクです。
オリジナルグラブはお客様にもメリットを作れる
オリジナルグラブを選んで頂いて、大切な期間に使用していただくことは光栄なことです。より良く使っていただきたいしメンテナンスも万全にしたいと思います。ここはメーカーから仕入れた品よりも気持ちが上回ります。
価格的にも、同じ品物でも1割~程度はお安く販売できるのではないかな?という感じです。お客様に安く提供できて、それでいて店舗にも収益のあるのがオリジナルグラブです。
オリジナルグラブだから性能が著しく劣るということもありません。もし手にしてみて気に入ったのであればオリジナルはありだと思います。というか、ここ数年でかなり抵抗感はなくなってきていると感じます。
野球工房A27のオリジナルグラブ
野球工房A27のオリジナルグラブ、BrandA(ブランドエー)というブランド名にて販売させていただいてます。
グラブについてはそれぞれの良い部分をだしていけるよう、3つの工場に発注しています。オーダーグラブも対応可能です。過去のオーダーグラブなどは@branda_worksインスタグラムからご覧ください。
BrandAのネーミングに込めた想い
BrandA(ブランドエー)に込めた想いとは?実は名前に特に意味は無いんです。ブランドとして識別できればいいくらいのつもりでネーミングしました。あくまでシンプルで質実な実用品を作るんだ、という意気込みです。
商品の多くに「Gamushara」と入っていますが、こちらは想いが込められております。
今置かれてる状況から自力で登りつめる、勇気を持って一歩を踏み出す、挑戦を厭わないスポーツ選手の姿勢には年齢や競技レベル関係なく感動を覚えます。挑戦はどんなことでも応援したくなります。
「我武者羅」とは向こう見ずな様ではなく、不安や恐れがあっても自らを奮い立たせ前に進んでいくという、一本の筋があるポジティブな態度のことを言うのだと解釈しています。
出来れば、そのような姿勢の方に使ってほしいなと思いますし、BrandAの道具がちょっとでも我武者羅になるきっかけになれたら嬉しいです。
最新のオリジナル硬式グラブと販売価格
最新入荷の硬式オリジナルグラブは千葉県産牛皮を使用したモデルで、今主流となりつつある土手狭のしかっかりキャッチモデルです。軽く硬い仕上がりとなっていまして、おすすめできるグラブになっています。
価格は税別40,000円(税込44,000円)へと改定いたしました。これまでの店舗での実際の販売価格に、ネット表示価格を合わせた形となります。
他社の定価5万円程度の硬式グラブが同等クラスになると考えますので、手にして頂くと割安感はもっていただけるかなと思います。
まとめ
お店オリジナルグラブが増えているのは上述のような時代の流れ、変化によるとことが大きいですね。
野球工房A27は良いグラブを販売し、メンテナンスに責任を持ちたいと思います。オリジナルグラブでそれをしっかりと行い、お客様の役に立てれば幸せな事です。
通信販売だとなかなかメンテで戻ってくることが少ないので、もっと販売後のメンテナンスに使っていただけるような方法も考えていきたいと思います。送料の問題や、修理期間ができてしまうのでその間に使うものが無いなど、通販のお客様の修理を受け付けるのは課題が多いです。
最後になりますが、実はもう一つ、刺繍入れ放題のオーダーグラブ「A27」というオリジナルもありました(あまり注文が入らない(^^;)ので、それについてもまた書かせていただきます。
ありがとうございました。