グラブは「道具」
せっかくグラブを購入していただいても、道具として使えないのでは申し訳が無いです。グラブの仕入れも、最終的にどういった道具になるのか?を最も重要視しています。
野球工房A27では様々なメーカーのグラブ型付けや修理をする中で実使用後の商品を沢山見ています。
ユーザーにとってのベストな道具となるよう、お売りするグラブをセレクトして、型付けにこだわります。
グラブ型付けで気を付けたいポイント
グラブの型付けはただ柔らかくするというものではなく、グラブを道具にすることなかでも特にポイントになると考える点を挙げます。
★手とグラブのフィット=平裏と手の間に隙間を作らない
⇒手の平の革が浮くとフィット感が最悪になる。どうしてこうなるのか?
・型や材の問題⇒設計された段階で無理がある、革や裏張りに無理がある
・保管の問題⇒硬いグラブを無理やり握れば、柔らかい手の平にストレスがかかる。大きい店では・色々な人がグラブを手にはめていくので、その中で形がついていってしまう。
・使い方の問題⇒例えば親指と中指がつくような閉じ方をするグラブを、無理に親指-小指になるように閉じるとストレスがかかる。自然な位置で閉じないことで手の平の余分が発生し、その逃げ場が出っ張り盛り上がる。
★開き
様々な角度からのボールに対応、自然な手の平に近づけるイメージです。ボールを素手で捕るとしたらみな手を大きく開くと思います。
グラブをはめても素手に近い感覚。
★捕球面全体の使用
グローブ=袋⇒深い位置でつかめるグローブ=板⇒浅い位置で扱える
ダブルポケットではありませんが、1カ所だけが捕球ポイントにならないようなイメージです。
★親指の利き
ボールがポケットに当たるその衝撃で閉じられるようなイメージが理想です。そのためには、親指が蓋をするようによく利く必要があります。
各加工方法での違い
野球工房A27で行う加工方法は3種類です。各方法での違いは下記となります。


湯揉み加工(湯もみ加工、湯揉み型付け)
グラブはまっさらな革を縫い合わせている以上、新品段階で実際の手のような曲がり方はしませんので、癖をつけることになりますが、湯揉みが有効なのは全体を一度に効果的に成形、癖づけ出来る点です。小中学生、社会人軟式野球は湯揉み加工も考えてもよろしいかと思います。
ほぼ水、ぬるま湯、熱くてもお風呂くらいの40℃程度お湯につけ加工します。
低温で革への刺激を抑えつつ、癖の付きやすい状態を作ります。
柔らかさは揉む量や強さで調整をしていきます。
使われている革、紐、グラブの形、ユーザーの希望をトータルで考えた上での加工になります。
軟化剤塗布+手揉み加工
硬いグラブ、形のクセが強いグラブは減り、湯揉みが必要なグラブも少なくなってきました。液状の軟化剤を全体に塗布して、手揉み・叩き・パンチングマシンでほぐすことでぼんやりと方向性が見えていく(開閉できる程度の仕上がり)ような加工です。使用しながら馴染ませていけます。
軟化剤は湯揉みの湯の代わりのイメージです。
スチーム加工
革を温めてあげることで一時的に柔らかい状態を作り、その間に癖付けを行います。こちらも開閉できる程度の仕上がりになります。
揉み方、叩き方
どの加工方法においても、一定の揉み方をおこなっております。叩く際は3種類のグラブパンチャーとトントン機を使用しております。
≪グラブ型付け加工≫
・湯揉み型付け⇒税込2,200円<柔らかめ仕上げ可能(納期10日程度)>
・軟化剤塗布+手揉み加工⇒税込1,100円<革に最も優しく、開閉できる程度の仕上がり>
・スチーム加工⇒1円<開閉できる程度の仕上がり>
グラブの深さ

型の種類
グラブ型付けを行うにあたり、お客様のご希望する使用イメージが必要です。グラブを手にはめたときの奥行A/Bと、親指が向かう位置1〜4で形が決まります。